「芸能人って個人事務所を作ると節税になるって本当?」——人気が出てきた芸能人が真っ先に検討するのが個人事務所(法人)の設立です。
個人(フリーランス)として活動するより法人を設立した方が節税効果は大きく、年収2,000万円以上の芸能人であれば年間数百万円の節税も珍しくありません。この記事では法人化のメリット・デメリット・タイミングをわかりやすく解説します。
Contents
個人と法人、税率はどれだけ違う?
所得税の最高税率は45%、法人税の実効税率は約23%
| 個人(所得税) | 法人(法人税等) | |
|---|---|---|
| 税率 | 5%〜45%(累進) | 実効税率約23〜34% |
| 年収2,000万円の税率 | 最大45%(住民税含め55%) | 約23%前後 |
| 経費の範囲 | 業務関連のみ | 比較的広い |
年収2,000万円の芸能人が個人のままだと所得税・住民税で約55%が課税されますが、法人化して役員報酬を適切に設定すると実効税率を大幅に下げられます。
法人化で節税できる主な経費
役員報酬で所得を分散するメリット
法人から自分に支払う「役員報酬」には給与所得控除が適用されます。たとえば法人が2,000万円の売上を得て、自分への役員報酬を800万円に設定した場合、残り1,200万円は法人に残り法人税率で課税されます。個人の所得税最高税率55%より法人税率23〜34%の方が低いため、トータルの税負担が下がります。
家族を役員にして給与を払う
配偶者や親族を法人の役員にして給与を支払うことで、所得を分散できます。個人で2,000万円全部受け取るより、家族4人で分散すれば各人の税率が下がり、世帯全体の税負担を大幅に減らせます。ただし実態のない「名義だけの役員」は税務署に否認されるリスクがあります。
法人が経費にできるもの
- 出演に必要な衣装・スタイリング費
- 事務所の家賃・水道光熱費(一部)
- 交通費・宿泊費
- 接待交際費(一定の限度内)
- 生命保険料(法人名義)
- 役員の退職金(将来の節税にも有効)
法人化のデメリット・注意点
設立・運営コストがかかる
法人設立には登録免許税などで約25〜30万円の費用がかかります。また毎年の税務申告は個人より複雑なため、税理士費用として年間30〜100万円程度が必要です。売上が少ない段階では法人化のコストが節税効果を上回ることもあります。
赤字でも法人住民税(均等割)がかかる
法人は赤字でも法人住民税の均等割(年間最低7万円)がかかります。活動が少なくなった年でも固定費が発生する点は注意が必要です。
法人化のタイミングは年収いくらから?
一般的には年収800万〜1,000万円が法人化を検討するタイミングとされています。それ以下では税理士費用や運営コストを差し引くとメリットが薄くなります。年収2,000万円以上になると法人化による節税効果が数百万円規模になり、明確に有利です。実際に個人事務所を持つ芸能人の多くも、年収が一定水準を超えたタイミングで設立しています。
まとめ
芸能人が個人事務所を作る最大の理由は節税です。個人の所得税最高税率55%に対し法人税率は約23〜34%と低く、役員報酬の分散・経費の拡大・退職金の活用などで大きな節税が可能です。法人化は年収800万〜1,000万円を超えたタイミングで税理士に相談するのがおすすめです。
※本記事は2026年時点の税制をもとにした概算です。実際の節税効果は個人の状況により異なります。詳細は税理士にご相談ください。